結婚・転居・転職についての備忘録

諸々の手続きについての記録、および日常の雑談。

地続きの「転機」

二ヶ月の間に入籍して、転居して、退職した。
現在進行形で、ゆるゆると新しい仕事を探している。
まさに今、転機のただなかにいる。

むかし想像していた「転機」は、降ってわくような、ドラマチックなものだった。
たとえば、街角での運命の出会いとか。何気なく応募したコンテストでいきなり優勝するとか。ある日突然海外転勤を命じられるとか(これに関しては近いこともあった。未遂に終わったけど)
どんなジャンルであれ、外的要因によっていきなり渦中に放り込まれ、それまでの毎日が一変する。そんな「転機」を想像し、憧れ、少しだけ懼れたりもしていた。

でも、実際に私が経験している「転機」は自分で選び取ったものだ。

配偶者とは、付き合いはじめたときから結婚して同居するまで、ずっと大阪と東京の遠距離交際だった。この人と付き合うと決めた瞬間に、いつかは(しかもさほど遠くない未来に)こんな「転機」が訪れることを覚悟していたし、そうなればいいなと期待した。

そして、「転機」の前にも後にも最中にも、そこにあるのは地続きの「日常」だ。

考えてみれば、名字や住所や所属が変わったり、名刺がなくなったりしても、結局のところ私は私だ。「名前ってなに?薔薇と呼ばれる花を別の名前にしても美しい香りはそのままよ 」というように。ちょっとやそっと身分が変わったくらいで、生まれ変わることはできない。
お腹だって空くし、洗濯物も埃も溜まっていく。夜は眠くなるし、朝も昼も眠い。
大阪では「王様のブランチ」が放送されないという事実を受け止めきれないうちに、春ドラマがどんどん始まる(TVerって割と本気で便利ですね…!)

淡々と家事をこなしているとき、エスカレーターで無意識のうちに右側に立っていることに気付いたとき、もう何年も前からここに住んでいるような気がしてくる。

とはいえ、新しい仕事を見つけないと築浅マンションでの「日常」を維持できない。
私の「転機」はしばらく続く。